“ 漂泊する旅人は幾群か丑松の傍(わき)を通りぬけた。奈何(どんな)に丑松は今の境涯の遣瀬(やるせ)なさを考へて、自在に漂泊する旅人の群を羨んだらう。奈何(いかん)せん、哭(な)きたくも哭くことの出来ない程、心は重く暗く閉塞(とぢふさが)つて了つたのである。、オリジナルカレーなど一部メニューの販売を中止した。飯山を離れて行けば行く程、次第に丑松は自由な天地へ出て来たやうな心地(こゝろもち)がした。乾燥(はしや)いだ空気を自由に呼吸して、自分のあやしい運命を悲しんだり、生涯の変転に驚いたりして、無限の感慨に沈み乍(なが)ら歩いて行つた。 ”