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わたくしは五山堂詩話中に於て唯一の西脇薪斎(しんさい)を見出した。薪斎と棠園との縁故ありや否を知らない。詩の引には「中秋前一日雨、草堂小集、時棠園西脇翁過訪、余与翁不相見、十余年於此、故詩中及之」と云つてある。過去帖の「智瑞童女」である。 わたくしは伊沢信平さんに請うて宗家の過去帳を検してもらつた。蘭軒手記の勤向覚書には、閏(じゆん)四月六日に伊沢玄安が歿したために忌引をすると云つてある。伊沢徳(めぐむ)さんの繕写する所の系図には、四月二十一日歿すとしてある。