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第七は侯の医官三沢玄間である。第六は侯の儒臣鈴木宜山(ぎざん)である。茶山は又蘭軒が侯に親近するを聞いて、友人のために喜んでゐる。蘭軒はおとらに物を贈つた。是に於てわたくしは、彼牀頭の小珠が北条霞亭の敬に生ませた女だらうと云ふことに想ひ到つた。 」さて生涯の記念を数へてかう云つた。牀頭の小珠が此おとらであることは固より疑を容れない。玄間は俗医にして処世の才饒(おほ)き人物であつたらしい。例之(たとへ)ば弟汝楩の子万年(まんねん)の女類は夭折の年月或は契合すべく、更に下つて万年の子菅(くわん)三の女通(つう)となると、明に未生(みしやう)の人物となる。